丸佳浩が巨人に移籍した理由を冷静に考えてみた
2018年シーズンオフの注目の的になったのは、広島カープからFA宣言をした丸佳浩選手。
ご存知の通り、丸選手は巨人へ移籍することになりました。
広島カープファンからすると、「(リーグの違う)ロッテに行った方がまだまし。」という心情もよく分かります。
しかし「もし自分が丸の立場だったら?」と冷静に考えると、今回のFAに伴う移籍は必然であったと思います。
その主な理由を列挙してみました。
金銭的な魅力
メディアの報道によると、広島と巨人が丸に提示した契約内容は以下の通りです。
- 広島・・3年12億円(4億/年)
- 巨人・・5年30億円(6億/年)
プロ野球選手はいつ怪我をして戦線離脱となるか分からないので、一般的に長期契約を望みます。
さらに金額が多い方がよいのは当然のこと。
広島と巨人では契約年数も、1年あたりの金額も大きく差があり、家族がいる丸にとってはやはり金銭的な魅力も大きかったはず。
もしあなたが月給40万のサラリーマンで、競合する大手企業から「月60万円でうちにこない?」とヘッドハントされた場合どうします?
しかも仕事内容は変わらず、その他の待遇も大手の方が優れています。
ほとんどの方が「ありがとうございます。お願いします!」となるはずです。
複数球団でプレーした方が人間的に大きくなる
楽天の石井一久GMが元西武の浅村栄斗選手との交渉時に、自身の経験を踏まえ「(移籍したことで)新しい視野を持てた。人間関係を一から作ることが器を大きくしてくれた。」
と語ったそうです。
この言葉が刺さったのか、浅村は移籍先に4年28億円を提示したソフトバンクではなく、4年20億円とされる楽天を選択。
サラリーマンにも言えることですが、一つの職場で働き続けるよりも、複数の職場で働いた方が仕事の進め方を比較検討できたり、人脈が広がるなど多くの経験ができます。
特に外資系企業では複数の職場で働いた人の方が経験をより積んでいるとのことで有利になることが多いのです。
丸がプロ野球選手としてプレーできるのは長くてもあと10年程度。
さらに残りの人生を考えた時に、複数球団でプレーし様々な経験を積んだ方が自身のためになると考えるのが、むしろ普通と言えるでしょう。
出身地に近い
丸の出身は房総半島の南東に位置する千葉県勝浦市。
千葉の隣の東京の方が友人や家族も多いうえ「水」も合うはず。
涌井(ロッテ)や岸(楽天)もFAで移籍した理由として、地元ということも大きな理由になったようです。
やはり何かと便利で落ち着くのが地元。
その点でいうと丸には千葉ロッテが該当しますが、そこは他の条件との兼ね合いもあったのでしょう。
ここでは「金銭」「人間・経験」「地元」の3点を移籍した大きな理由としました。
広島に残るメリットとしても「広島愛・ファンの存在」「引退後の(コーチなどの)職」「広島に残留することでの自身のブランド向上」なども考えたはず。
逆に移籍することで大きな批判を浴びることや、巨人で待ち構える大きな注目、失敗した時のバッシングなども覚悟の上でしょう。
広島カープは「市民球団」ということもあり資金力は乏しいものの、優れたドラフト・育成戦略でセ・リーグ3連覇を成し遂げるなど、強くて人気のあるチームに生まれ変わりました。
マエケンがメジャーに行っても、黒田が引退してもチームはセ・リーグ優勝、その後も勝ち続けています。
丸がいなくても広島の強さは変わりません。
来年のペナントレースはより面白くなりそうです。